トラウマ治療

トラウマ(心理的外傷)って何?


最近では日本でもよく使われるようになったこのトラウマという言葉。割合に新しいコンセプトですが、「虐待」等と同じく、昔から人間だけではなく、動物も体験してきたことですが、それを表現する言葉が存在しなかったわけです。簡単にいえば、なにか、心に傷の残るような出来事がきっかけで、その事件に関係する危険なものはもとより、本当は危険でないけれども、その事件を思い出させる物、場所、時間、匂い等に過剰に反応するようになります。(時には逆に麻痺したり、感じなくなります。)


これは、ニュースで報道されるような大事件から、他の人にはどうということのない日常の一コマが原因かもしれません。でも、その人にとって多大な心理的影響を与えるという意味では、かわりません。あえて言えば、小さなトラウマのほうが見逃され、早く処置を受けられず症状を悪化する事もあります。特に、子どもには、大人のように理路整然と事態を理解する理論はありません。彼等なりに理解しようとし、時には大人には考えつかないような関係付けをすることもあり、誤解されたりもします。

 

トラウマが積み重なると、落ち込んだり、怒りやすくなったりします。大人でも自分からその変化に気がつき、助けを探すことが難しいのに、こどもならなおさらです。まわりの大人が、気がついて手を差し伸べてほしいのです。

 

子どもの症状としてよくあるのは、以前はなかったのにオネショ、お漏らしをするようになる。突然さめざめと泣き出して、聞いても怖がって理由を教えてくれない。今までは好きだったのに、遊ばなくなり、他の子どもを避けるようになる、あるいは喧嘩ばかりするようになる等があります。子どもの場合、トラウマによる影響がでている症状と、発達障害(ADHD,アスペルガー、自閉症など)を混同されることもよくあります。本当は必要では無い薬を飲んだり、「じぶんは変なんだ」と、自分を責め、自尊心を傷つけることにもなりかねません。「うちのこって、どうしてこうなのかしら?」と一人で悩まないで、まずは相談してみて下さい。

 

主なトラウマ治療


  • EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing) ---目で左右に動く指先を見つめる、若しくは膝を軽く交互にたたくことで、脳に直接刺激を与えて、トラウマによるショックを軽減し、不安、将来への恐怖感を改善できます。 http://www.emdria.org
    http://www.emdr.jp

  • アートセラピー/プレイセラピー----- 絵を描いたり、見たりすることによって、言葉だけに頼らず、自分を知り、状況を理解、乗り越えて行ける治療法です。特に、子どもに効果的です。